消費者インサイトの見つけ方:書籍「欲しいの本質」
仙台市で経営コンサルタントをお探しの皆様、こんにちは。 「名門コンサルティング」代表の三沢やすしです。
今日は、悩める経営者のために、自社商品がコモディティ(差別化されていない一般財)から抜け出す方法が書いてある書籍をご紹介します。 なお、以下の「インサイト」とは、「人間のさまざまな心理の中で人を動かすもので、本人も気づいていない欲求のスイッチ」という意味で用いています。
1. 消費者インサイトを知ることが
現在の日本のような成熟した消費社会においては、ほとんどの商品がコモディティ化して厳しい競争に巻き込まれ、超過的な利潤を上げることが難しくなっています。 そうした競争から抜け出すためには、他社が気づいていない消費者インサイトを知り、それを自社の商品開発に反映させることが重要です。
この本「欲しいの本質」は、組織として継続的・体系的に消費者インサイトをつかみ、それを商品に反映させる方法が書いてあります。 以下にご紹介しますので、自社商品のコモディティ化による利潤低下に悩む経営者や担当者の方は、ぜひ最後までご覧下さい。
2. 欲しいの本質・INSIGHT
大松孝弘・波田浩之著
宣伝会議・税別1,500円
2018年3月1日第2刷発行
同目次
同中身
Amazon電子書籍読み放題でも
この本は、紙の書籍のみならず、Amazonの「月額980円で電子書籍読み放題(Kindle Unlimited)」サービスでも提供されており、PCやタブレット、スマホ、Amazonが売っている専用端末、などで読むことが出来ます。 僕は、加齢のせいか紙の本の方が頭に入りやすいので、敢えて紙の本を追加購入しました。
同Kindle本・表紙(PC)
同Kindle本・目次(PC)
同Kindle本・中身(PC)
以下に、この書籍(もちろん紙・Kindleとも内容は全く同じ)の概略を記します。
A. この書籍の前提
日本のような先進国においては、ほとんど商品が「ほぼOK!」のレベルになっていて、どうしてもこの商品が欲しい、というものが無い。 こういった状況で革新的な商品を生み出すためには、(ニーズ化していない)消費者の隠れた欲求(インサイト)を掴む必要がある。
B. インサイトの構造
1)4つの要素
シーン(場面)
ドライバー(感情を生み出す要因)
エモーション(感情)
バックグラウンド(背景要因)
2)3つのタイプ
価値(ポジティブな心理)
不満(ネガティブな心理)
未充足欲求(求めているが満たされていない欲求)
また、人の欲望は、天使と悪魔でとらえる。 それから、イノベーションのためには、競合やユーザーではなく人を見に行く。
C. インサイトを起点とする6フェーズ
オポチュニティ(商機)発見
↓
インサイトリサーチ
↓
アイデア開発
↓
プロトタイピング(プロトタイプ製作と評価)
↓
ローンチ(商品発売)
↓
トラッキング(結果の追跡と修正)
D. インサイトを明らかにする方法
インサイトを明らかにするためには、人の意識の下に隠れている無意識へのアプローチが必要。 そのためには、リサーチ相手に考えさせないことが大事。 インサイトリサーチは、心理学系の感情からのアプローチと、文化人類学系の事実からのアプローチがある。 当然、それぞれの方法について詳述。
E. アイデア開発から商品開発へ
アイデア開発・評価の方法、及びその後の商品開発、プロトタイプの制作と評価、商品発売、追跡と修正(マネジメントサイクルを回す)、について詳述。
経営コンサルタントの「サブスクリプション・ビジネス」
仙台市で経営コンサルタントをお探しの皆様、こんにちは。 「名門コンサルティング」代表の三沢やすしです。
1. サブスクリプションとは
今日のテーマは、最近のビジネス界で流行の言葉「サブスクリプション」です。 「サブスクリプション」とは、「定期継続購入」のことで、消費者の目につく例としては「Netflix」や「Apple Music」(1アカウント当たり毎月1,000円前後を課金)などのストリーミングサービスがあります。
当社のサービスも
また、当社の家庭教師サービス(名門進学会)や家事代行サービス(エンジェル仙台)も定期的継続的な役務(便益)の提供なので、サブスクリプションビジネスと言えないことはありません。
さて、今までの製品やクラウド化する前のIT業界では、売り切りがほとんどでした。 しかし、最近では、IT業界を中心に、「製品ではなくサービスを提供して、リーズナブルな金額を定期的かつ継続的に得る」サブスクリプションビジネスが目立つようになってきています。
提供企業にも変化が必要
こうした販売方式を取るためには、企業も、製品を提供する会社から継続サービスを提供する会社に変わる必要があります。
以下に紹介する書籍、その名も「サブスクリプション」では、サブスクリプション方式によるITサービスを提供している企業のCEOが、上記の変化ための方策を詳細に記しています。 興味のある経営者の方は、ぜひ一読して下さい。
2. 書籍「サブスクリプション」
ティエン・ツォ&ゲイブ・ワイザード著
ダイヤモンド社・税別1,800円
2018年10月24日発行
同著者・訳者記載ページ
同目次
同中身
製品中心から顧客中心へ
この本の著者は、「1人1人の顧客を理解して、顧客との間に真に直接的かつ継続的な関係を確立した企業が、長きに渡って好業績を上げている。」と述べています。 そして、今後の自社の生存・拡大のために、製造業も含めすべての企業がそうすべきであると言っています。
製品ではなく便益を売れ
ところで、20世紀にハーバード大学でマーケティングを教えていたセオドア・レビットが、慧眼にも「顧客は1/4インチのドリルを欲しているのではなく、1/4インチの穴を欲しているのだ!」と述べました。 このことは、直接的には顧客に製品を提供している企業のビジネスによく当てはまります。
ですから、この本にも「顧客に直接的に提供しているのが製品であっても、結果的には、顧客を理解し、その製品により顧客の欲するサービスを提供出来続ける会社が継続的な利益を得られる。」と書いています。
サブスクリプション企業への変革
この本の後半では、イノベーション、マーケティング、営業、ファイナンス、IT、企業文化、などを、サブスクリプションサービス提供企業として整える(最適化する)ための方策を詳細に記しています。 実際にそれを達成した企業のCEOが書いているだけに、記述が具体的で重みがあります。
3. サブスクリプション収入があれば安心!
この本にも書いてあることですし、上記のように継続的な収入を得られるビジネスを経営している僕の経験から言っても、「新規顧客を取り続けなくとも安定的な収入が得られる」サブスクリプションという形態は、会社としても、経営者としても、心から安心していられます。
現在、わが国でも、世の中が「所有から利用へ」と動いていることと合わせて、この際ですから、皆様の会社もサブスクリプションビジネスの企業へと歩んでみませんか。
貴社の爆発的成長のために「グロースハック」をご紹介!
仙台市で経営コンサルタントをお探しの皆様、こんにちは。 「名門コンサルティング」代表の三沢やすしです。
今日は、皆様の会社が爆発的に成長するための手法「グロースハック(Growth Hack)」とはどのようなことかを簡潔に記し、その後、その名付け親ショーン・エリスなどの手による解説・実践の本「グロースハック完全読本(原著名はHacking Growth)」をご紹介致します。
1. グロースハックとは
まず、グロースハックとは、「アイデア(仮説)をたくさん出し、高速で部門横断的に実験をすることによりそれを検証し、そして、その結果によりビジネスを修正していく。」というアプローチのことで、これにより企業を急成長させることを目的としています。
その詳しい内容については、以下の「グロースハック完全読本」をご覧下さい。 ボリュームのある本で、グロースハックの基礎から実践までを網羅的に記述しています。
2. グロースハック完全読本
ショーン・エリス、モーガン・ブラウン著
日経BP社・税別2,000円
2018年10月2日発行
(原著「Hacking Growth」は2017年刊)
同著者紹介ページ
同目次
同中身
著者の1人はグロースハックの第一人者
この本の著者の1人ショーン・エリスは、U.S.でグロースハックの手法を用いて幾つかの企業を爆発的に成長させ、そして、サイト「growthhacker’s.com(グロースハッカーズ・ドットコム)」を運営する、この分野の第一人者です。
目次と内容
第1部 グロースハックの基本
第1章 グロースチームを結成する
第2章 プロダクトの渇望度を測る
第3章 成長のレバーをつかむ
第4章 高速で実験を繰り返す
グロースチームの作り方、チームに必要な人材とスキル、チームの管理法、大きな成果を生み出すようなアイデアの生成、検証を可能にする高速プロセス、などについて記してあります。
第2部 グロースハックの実践
第5章 獲得をハックする
第6章 活性化をハックする
第7章 維持をハックする
第8章 収益化をハックする
第9章 成長の好循環
顧客を獲得・活性化・維持・収益化する方法と、成長が実現したあと勢いを落とさず加速する方法について、章ごとに記述しています。
3. マネジメントサイクルを回す
この本を読むと、やはり、ビジネスにおいては、「アイデア(仮説)を数多く出し、それを高速で検証し、結果により修正する」という、「PDCAのマネジメントサイクルを出来るだけ早くたくさん回し続ける」ことが当該企業の急速な成長のためには欠かせない、ということが分かりました。
なお、この本で実績として挙げているのはU.S.のIT企業ばかりですが、読めば皆様の会社の成長にもきっと役に立つと思います。 やって結果を出した人が書いた本ですから、広くお薦めします。